風邪の治し方
 
ざわつく教室の中、ナルが出席を取っていた。
「乃木流架は風邪で休み、ね〜」
「え〜流架くん休みなのぉ〜」
パーマ達、ファンクラブがざわめく中蜜柑は棗に話し掛けた。
 
「なぁ、棗。そんなにルカぴょん具合悪いん?」
棗はつまらなさそうに蜜柑を一瞥し、「あぁ」と答えた。
蜜柑は棗の不機嫌そうな事など気付かずに、
「なぁ棗、ルカぴょんのお見舞い行ってもええ?」
と聞いた。
「そんなの勝手に行けばいいだろ、何で俺に聞くんだよ」
「ふぇ?お見舞いの土産は何がルカぴょん好きか聞きたいから」
 
少し棗は意地悪したくなり。
 
 
 
「擦りおろした林檎」
 
と流架が苦手としている物を答えた。
 
「ありがとう」
 
蜜柑は嬉しいそうに笑い、お礼を棗に言った。
 
 
 
RUKA  NOGI
 
少等部寮内にある三部屋しかないトリプルの部屋の前に蜜柑はいた。
パーマ達がいたらうるさいやろな〜と考えつつ、ドアをノックすると流架の掠れた声がした。
「ルカぴょん?ウチ蜜柑、お見舞いにきたんやけど」
「…っ佐倉っ!?いいよ、入って」
 
 
蜜柑が部屋に入ると、意外にもパーマ達はいなかった。
何故だろうと考えてみると答えは簡単に分かった。
 
棗が流架の部屋にいるからだ。
 
「…棗!?」
「図々しくも本当に来たのか、お前」
「…っ図々しいって…。やめた、今日はルカぴょんのお見舞いに来たんやから」
いつも通りに口喧嘩になるかと言う棗の思惑は外れ、蜜柑は流架にお見舞いの品の清涼飲料水と、ナプキンに包まれた擦りおろした林檎の入ったタッパーを渡した。
 
「はい、ルカぴょん。熱はどう?」
「朝は39度だったけど、もう37度まで下がったよ。明日には治ってるよ」
「そうなん?ゆっくり治してね」
「…ありがとう」
流架の顔が熱のせいだけでなく赤くなった。
 
「これ何?」
「あぁ!それな、棗にルカぴょんの好きな物聞いたんやけど…」
「……」
「ルカぴょん?」
「…あぁ、ありがとう」
 
流架がタッパーを開けると、流架の苦手とする、すりおろされた林檎が入っていた。
あの微妙な食感が苦手なのだ。
棗は流架が擦りおろした林檎が苦手なのを知っている筈だ。
むしろ擦りおろした林檎が好きなのは棗の方だ。
それを蜜柑に好物だと言ったと言うことは、どっちへの嫌がらせなのか…。
 
流架が棗の方を見ると、どこかつまらなさそうな、それでいて意地悪い笑みを浮かべている。
 
 
…ターゲットは俺か…。
 
 
「ルカぴょん?」
流架が棗の真意を考えてたら、蜜柑が流架の顔を覗き込んでいた。
「あ、ありがとう」
慌てて流架は礼を言い、擦りおろした林檎を食べ始めた。
 
擦りおろした林檎はやはり流架には好きになれそうな食感ではなかった。
 
でもまた風邪を引いた時蜜柑が作ってくれるなら、また食べたいと流架は思った。
 
流架が擦りおろした林檎を食べながら、ちらりと棗を見ると棗は蜜柑を見ていた。
 
どこか、せつなさそうな目で。
 
棗の真意は分からないけれど佐倉は渡さないぞ、と流架は熱で浮かされた頭で思った。
 
 
 
あとがき
棗と流架は最高に大好きなライバルって感じです。
蜜柑にはどっちともくっついて欲しい・・・。二股!?
棗流架同盟さまに寄稿しました。
広告 就職支援  ゲーム 訳あり 無料 チャットレディ ブログ blog