それに気付かなければ良かったのに。
 
違い
 
棗と蜜柑は近所でも評判なほど仲良しな双子だ。
どっちがお姉さんかお兄さんかで時々喧嘩をするけれど、それ以外には特に喧嘩もせず…棗が蜜柑に可愛がりと言う名のからかいをしては蜜柑に怒られているくらいだ。
 
「棗、蜜柑。お風呂入ってきて。」
「「はーい。」」
そう母親に言われ、棗と蜜柑はお風呂場へ向かった。
 
棗が身体を洗い終え、髪を洗う前に湯船に浸かろうとし、隣の双子の片割れを見ると棗は脱力した。
身体も洗わずにわしゃわしゃと蜜柑は楽しそうにスポンジでボディソープを泡だたているのだ。
 
無駄が嫌いなしっかり者の棗と違い蜜柑は元気なのだが少しのんびりしている。
なので棗には正直訳の分からない事に蜜柑は熱中している事が多い。
「蜜柑、そんな事してないでとっとと身体洗えよ。」
そう棗が言うと蜜柑は聞いているのか聞いていないのか、鼻歌を歌いながらしつこく泡だたている。
 
「いい加減に洗えよ!」
元々短気なので棗は蜜柑のスポンジを蜜柑の手から奪い、自ら蜜柑の身体を洗い始めた。
「わっ!!棗、ウチ自分で洗える!!」
「てめぇがやってると遅いんだよ!」
 
わしゃわしゃと洗っていると蜜柑は暇なのか再び石鹸で遊び始めている。
 
「お前なぁ〜人に洗わせておいて…!」
「ウチが頼んだわけやないもん〜。」
「でもお前がやると遅いんだよ!」
 
ぎゃいぎゃいと騒ぎながらも棗は手を休めることなく蜜柑の身体を洗っていく。
 
ふにっ…。
「痛い!」
 
棗が洗っていると蜜柑が行き成り大きな声を出した。
「どうした?」
「何か痛かったんやけど…。」
そう言って蜜柑は自らの胸を触った。
棗がそこを見ると
 
 
そこは微かに膨らみが生じていた。
 
 
 
「え?」
「俺、もう一人で風呂入るから。」
「何で?」
蜜柑が不思議そうな顔をしている。
 
 
もう、二人でなんて入れない。
気付いてしまったから。
 
双子の片割れだと、自らの半身だと思っていた蜜柑は「女」である事に。
自分の片割れであるけれど、自分とは違う身体の持ち主だと言う事。
 
そして、自分は「男」である事に気付いてしまったー。